11月23日
早朝パラオスポート号は北緯3度のレンリーフに到着。パラオスポート号がダイブクルーズするフィリピンの世界遺産「トゥバタハリーフ」より大きな環礁で、リーフの縦の長さ約21.2km、幅約9.6kmになる。リーフの北側には砂地で形成された小さな島があり、物凄い数の海鳥たちが生息している。
島の大きさは潮の干満により変化するが、干潮時で長さ500m、幅100m程の非常に小さな島である。
昔はもっと大きな島だったが、近年の世界規模での環境変化により潮位が上がり、島が浸食されて現在のサイズになったという。
この島には4名住んでおり、パラオ人3名(内、女性1名)インドネシア人1名でヘレンリーフを監視しているレンジャーだ。
以前パラオスポートで働いていた元パラオ人スタッフが何故かここにレンジャーとして住んでいる。現パラオ人スタッフのクレイトンの従兄にあたるとのこと。
政府の定期船はないため、生活水は雨水を溜めて利用し、食料は完全自給自足の過酷な生活だ。
いよいよヘレン初ダイブ!リーフの北西側、北側、北東側は大きなうねりで潜るのは難しいので南側から攻めて行きました。
抜群の透明度の中、豪快なドロップオフを流し、お馴染みのペットボトルで「ガリガリ、ガリガリ!」深場から3匹のグレイリーフシャークが上がって来た。
胸ビレを縦にしながら威嚇行動。機敏に向きを変えて泳ぐ姿にちょっとドキドキ(汗)
暫く流していると昨夜のお魚講座で紹介された「アクセルロッドクラウンブレニ―」を発見!愛敬たっぷりのこのカエルウオ、黄色の個体は虎柄に見える。
他には白色、オレンジ色の個体も見られた。岩穴に入るわけでもなく、サンゴの上にちょこんと乗っている。そっと近寄れば、じっくり観察できるし、写真も撮れる。
辺りを見渡せば、ここにも!そこにも!あそこにも!いたる所に「アクセルロッドクラウンブレニ―」が!
かわいい子供の個体もたくさん見られ、サービス精神旺盛なカエルウオでした。
2本目は、リーフ南東側を潜った。少々張り出したリーフ「コーナー」では、ギンガメアジ群のトルネード!
グレートバラクーダやカンムリブダイの小群がガツガツとサンゴをかじりながらご飯を食べていました。カンムリブダイさん、そんなにサンゴを壊しちゃだめですヨ!
3本目はリーフ西側にあるチャネル周辺でのダイブ。上げ潮を利用してチャネル外側からエントリー。
ドロップオフを流しながらペットボトルを激しく鳴らすと・・・やはり出ました!グレイリーフシャークがわんさか集まって来ました!
大小合わせて8匹のグレイリーフが胸ビレを立てて機敏に泳ぎ、威嚇行動しながらダイバーの様子を見に来る。
でも、見たことがない泡を吐く物体に恐れを感じているのか、直ぐさまUターンして泳ぎ去ろうとする。
それではちょっと寂しいので、またペットボトルをガリガリ!サメはまた興味を示して寄って来る。それを何度も繰り返して遊んでいました。
その遊びをしている最中に騒がしさを察知して、今度は大きなイソマグロが来て周囲をウロウロ。それは、それはぶっとい胴体で、あとでつけたあだ名は「ブタマグロ!」
チャネルへ入り大小様々な魚を見ていると、マダラトビエイが前方を通過!シャッターを切る前に泳ぎ去って行きました。
4本目はリーフ内の北側へ本船を移動させ内海ダイブ。「スパインチークアネモネフィッシュ」などの小物たちを観察するマクロダイブにダイバーたちは視点を変え、
カメラレンズを変えての約1時間、小物三昧に満喫していました。
今夜はサンデッキでBBQディナー!満点の星空の下、焼き立てお肉やピザ、パスタ、連日釣れている新鮮なお魚を美味しく食しました。
その後、レンジャーの情報で今夜はヘレン島でカメの産卵が見られるかもしれないとのことで、早速レンジャーの誘導のもと島へ上陸。
いました!アオウミガメが涙を流しながら砂浜に卵を産み落としており、その生命の営みに皆さん感動されていました。
この島には多くの海鳥が生息していて真っ暗闇なのに鳥が飛び回るので、何名かの方が糞の爆弾を落とされて大爆笑!
イレギュラーで恐らく鳥が捕獲したであろう小さなカニを落されて髪に付いていたゲストもいました。
11月24日
この日もヘレンリーフ。朝一ダイブの替わりに昨夜訪れたヘレン島に再度上陸。昨夜は真っ暗でライトで照らした所だけが見えていたので今朝の景色は全くの別物。
さんさんと降り注ぐ朝日の光を受けての島散策。抜群に良いロケーションの中、多くの海鳥たちの激しい鳴き声を耳にしながら皆さん気の赴くままにお散歩、
写真撮影、ビデオ撮影をしていました。レンジャーたちのペットであるアオウミガメの子供、体長15cmくらいだろうかとても可愛く、普段ダイビングでは触ることが出来ないのをいいことに、ドサクサ紛れで掴み上げ一緒に写真撮影。
海鳥たちの一部の種は卵を砂地で温めており、レンジャーは「朝食にこの卵をどうぞ!」・・・と、「えっ?いいの?」
パラオ人スタッフは卵採取に奮闘し、沢山の卵をゲット!
1時間ほどの島散策を経て私たちは島を後にしました。
早速、採れたての海鳥の卵をボイルしたものを頂く。有精卵なので中には黄身が崩れているのもありましたが、
新鮮なものはまん丸とした綺麗な形の黄身でした。白身部分は半透明で弾力がある触感。ニワトリの茹で卵というよりはウズラの卵という触感と味でした。
本船は内湾からチャネルを通過して外側へ移動し、ヘレンリーフの西側でダイブ。
今日は昨日よりも透明度が良く50m以上はあったのではないだろうか。
グレートハンマーを狙いにリーフから離れた深場を流してペットボトルをガリガリ!・・・期待感が高まりましたが、残念ながら出ませんでした・・・。
気を取り直してリーフに戻り流すと、グレイリーフシャークやネムリブカ、タマカイ、グレートバラクーダなどの大物からクマザサハナムロ群、ウメイロモドキ群、スパインチークアネモネフィッシュなどの小物まで楽しめました。
セブクルーズ時のバリカサグ島やアポ島で見られる「ホシモンガラ」も発見しちゃいました!
番で仲睦まじく泳いでいる事が多く、オスの特徴はひげの濃いおじさんがひげそり後の青々としたアゴをしています。
さすがにメスは青ひげ面ではなく尾ビレの赤く縁取られています。
2本目、3本目はリーフ東側のポイントをダイブ。
潮当たりの良い張り出したリーフ付近を潜り、ギンガメアジ群のトルネード、バラクーダ小群、でっかいカンムリブダイの小群、タカサゴ類群や各種小物達。
締めにはマダラトビエイを見てエキジット。いや~とにかく楽しい、楽しい~。
今日も満足のいくダイビングが出来ました。
ゲストは気分良くシャワーを済ませて恒例のサンセットビール。サンデッキから見渡す360度水平線の彼方に沈む夕日を眺めながらのビールは至福の時。
今夜のイベントはパラオスポートお馴染みの「シップショップ」。
スタッフが面白トークで商品を販売すれば、ゲストはドッと笑いの渦!ゲストからツッコミやボケが入り、大いに盛り上がりました。
そしてパラオスポート号はヘレンリーフを後にし、最終目的地のメリル島に向けて出航。北へ約10時間の移動となる。
11月25日
本船は海況の影響で船足が伸びず、約1時間の遅れでメリル島に到着。
プルアナ島と同サイズの島で住人は1人。ドナルドの親戚との事。ここもヘレン島と同様に食料は完全自給自足で生活水は雨水貯水を利用。
この島の南側リーフは鉛筆の先のような尖った形をしているのが特徴的だ。あまり見ない地形でスロープ状である。他はドロップオフが多い。
やはり南西諸島はパラオ本島とは海の色が違う。ここメリル島も透き通るような「ブルー」で名付けました!「パラオブルー!」
島への到着は遅れたもののダイビングスケジュールには影響はありません!
早速、鉛筆コーナーを絡めたリーフ西側を攻めて行きました!豪快なドロップオフを気持ち良くドリフト。ハンマーを期待しながら潜っていましたが・・・またもや出ず。
2本目は鉛筆コーナーの東側をダイブ。何処までも見えそうな別格の透明度の中を流していると、ウメイロモドキ群、クマザサハナムロ群が周囲に集まってきて
私達を巻いてくれた。光に映えるこの魚達の鮮やかなブルーやイエローが、私達をうっとりさせてくれました。超感動です!
グレイリーフシャーク、ネムリブカ、ギンガメアジ群、オオメカマス群、バラクーダ群、マダラタルミ群、コーナー先端上層にはツムブリの群れなど、
ブルーコーナーで見られるお魚を一通り見ることが出来た。んースゴイ!
3本目は北西側をダイブ。とにかくこのポイントは亀が多すぎる!
大小のアオウミガメがあちこちから泳ぎ出して、一視界に入る亀の数が10匹以上という事もあった。恐らくこのダイブで50匹以上は見たのではないでしょうか。
これだけ見られると長生き出来そうな気分になって来ますよね~。そう思ったゲストもいたかと思います。
4本目は天候が悪くなってきたため安全を考慮して、1本目と同じ西側を潜る。
1本目で見られなかったギンガメアジ群、バラクーダ群、でっかいカンムリブダイ小群、タカサゴ群、タマカイを見て終了。
これでヘレンクルーズのダイブスケジュールは全て終了です。
とても楽しく満足のいくダイビングが出来ました!
パラオスポート号は、天候と海況が思わしくないためにマラカルへ向けて早めに出航。予定では約22時間の移動となる。
11月26日
本船はマラカルへ向けて走り続けるが、向かい風と向かい波でスピードが出ず、予定が大幅に遅れそうだ。
船内では行きと同様にDVD鑑賞やお話をしたり、お酒を飲んだり、クルーズの疲れを取るためにお昼寝をしたりなど過ごし方は人それぞれ。
夜10時、ようやくパラオスポート号はマラカル港に到着した。予定より6時間の遅れだった。
ゲストの皆さんは、そんなに疲れた様子もなく帰り支度です。
午後11時半、とうとう下船の時間がやって参りました。
スタッフ、クルーはこの瞬間がとても嫌です。
それまで楽しく一緒に過ごしていたゲストとの別れは非常に寂しいものです。
ゲストの皆さんも同様のことを言って頂きました。
空港でチェックイン後、ゲストお一人お一人と固い握手を交わし、出国手続き口に向かうゲストをお見送りしました。